相続した不動産の売却方法とは?流れと注意点を解説

相続不動産を売却するには、相続人や遺産の確定、遺産分割協議での合意、相続登記、不動産会社への依頼が必要です。売却後は相続税や確定申告を行い、期限内に手続きを進めましょう。
共有名義では全員の合意が必要で、優良な不動産会社の選定が成功のポイントです。税金特例や追加費用にも注意が必要です。
目次
相続した不動産を売却する流れとは?

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相続した不動産を売却する際には、手順を把握しスムーズに進めることが重要です。
◇1.相続人と相続遺産の確定
相続手続きの最初のステップは、相続人と相続遺産の確定です。被相続人の遺言書がある場合はその内容を確認し、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を収集して法定相続人を確定します。
同時に、不動産や預貯金、負債などプラス・マイナス両方の遺産を精査し、遺産全体の状況を把握することが重要です。
◇2.相続税の確認
相続税が発生するかどうかを確認するため、遺産総額を計算します。基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税が課されます。
不動産を売却して相続税を支払う場合、期限である10か月以内に売却を進める必要があります。
◇3.遺産分割協議
複数の相続人がいる場合、遺産分割協議を経て売却の合意を得る必要があります。
不動産は共有状態になっているため、全員の同意がなければ売却できません。合意内容は遺産分割協議書に記載し、相続人全員の署名と実印による押印を行いましょう。
◇4.相続登記
売却する不動産の名義を確定するため、相続登記を行います。申請には、戸籍謄本や住民票、固定資産税通知書などの書類が必要です。
この手続きは司法書士に依頼するのが一般的ですが、自分で行うことも可能です。
◇5.不動産会社に売却を依頼
相続登記が完了したら、不動産会社に売却を依頼し、査定を基に適正価格を設定して媒介契約を締結します。
遠方の物件については、不動産会社に鍵を預けることで内覧や現地見学の対応を任せることも可能です。相続税の納付期限に間に合うよう、手続きを早めに進めることが重要です。
◇6.売買契約を締結
購入希望者が現れたら売買契約を締結し、決済と物件の引き渡しを行います。売却代金は遺産分割協議書に基づいて相続人間で分配します。
この段階で、税金やその他の費用を差し引いた実質的な利益を確認しておきましょう。
◇7.相続税の申告と納付
売却代金を得た後、相続税の申告と納付を行います。期限である10か月を過ぎると延滞税が発生するため、早めに手続きを進めましょう。
分割方法が決まらない場合でも、法定相続割合で仮申告することが重要です。
◇8.確定申告
売却によって利益が出た場合は、翌年に確定申告を行います。利益は譲渡所得として計算され、取得費や譲渡費用を差し引いた額が課税対象となります。
また、適用可能な控除や特例がある場合は、税理士や専門家に相談して最大限活用しましょう。
相続した不動産を売却する際にかかる税金

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相続した不動産を売却する際には、税金や諸費用が発生します。これらのコストを正しく理解し、計画を立てることで、思わぬ負担を避けることができます。
◇譲渡所得税(住民税・復興特別所得税)
譲渡所得税は、不動産を売却して利益が出た場合に課される税金です。利益とは、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた金額を指します。
この税金は、不動産の所有期間によって税率が異なり、5年超の所有では所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税が0.315%となります。
一方、5年以下の場合は、税率がそれぞれ30%、9%、0.63%に引き上げられます。
計算に際して、相続税の取得費加算の特例を活用することで、税負担を軽減することも可能です。税率の違いや控除の適用を把握して、計画的に税金対策を進めることが重要です。
◇登録免許税
登録免許税は、不動産の所有権を相続人へ移す「相続登記」を行う際に課される税金です。税額は、不動産の固定資産評価額に対して0.4%の税率が適用されます。
例えば、固定資産評価額が3,000万円の物件の場合、登録免許税は12万円となります。
この税金は相続登記の際に必須であり、申請手続きには法務局への書類提出が必要です。相続登記を怠ると、将来の売却時にトラブルが生じる可能性があるため、早期に対応することが推奨されます。
登記手続きは、専門家である司法書士に依頼することで、手間を軽減することができます。
◇印紙税
印紙税は、不動産売却の際に作成される「売買契約書」に課される税金です。
契約金額に応じて税額が異なり、例えば契約金額が1,000万円から5,000万円の場合は1万円、5,000万円から1億円以下の場合は3万円が課されます。
現在は軽減措置が適用されており、令和9年3月31日までに作成された契約書は、通常より低い税率で済む場合があります。
この軽減措置を見逃さず、適切な税額を確認することが大切です。不動産会社や税理士に相談することで、必要な印紙税額について正確に把握できます。
◇その他の費用
不動産売却には税金以外にもさまざまな費用が発生します。主な費用として、不動産会社への仲介手数料、測量費、建物解体費用などが挙げられます。
仲介手数料は売却価格の3%+6万円(消費税別)が上限で設定されており、例えば売却価格が3,000万円の場合は約105万円が必要となります。
また、土地の境界線を明確にするための測量費や、老朽化した建物を取り壊す際の解体費用も、事前に見積もりを取ることが重要です。
これらの費用を総合的に考慮し、売却価格を設定することで、手元に残る金額を確保することができます。
相続から不動産売却までに注意すべきポイント

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相続した不動産の売却には、様々な注意点があります。
ここでは、優良な不動産会社の選定や共有名義での売却手続き、税金特例の活用など、重要なポイントを具体的に解説します。
◇優良な不動産会社を探す
不動産売却で成功するためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。相続不動産の場合、適切な価格で迅速に売却するには、経験豊富な不動産会社のサポートが欠かせません。
◇共有名義の売却
相続不動産が共有名義の場合、売却にはすべての共有者の同意が必要です。
売却価格や売却時期について意見がまとまらないことが多いため、事前に「最低売却価格」を共有者間で合意しておくとスムーズです。
◇単独登記型
共有名義での売却が難しい場合、単独登記型の方法が選択肢となります。
この方法では、不動産を一旦特定の相続人の名義に変更し、その後、売却益を他の相続人に分配します。
◇税金特例
相続した不動産の売却では、税金の特例を活用することで税負担を軽減できます。
「相続税の取得費加算の特例」では、相続税を取得費に加算できるため、譲渡所得税を減らすことが可能です。
◇売却期限は3年以内
相続不動産の売却には、期限が関わる特例が多い点に注意が必要です。
「取得費加算の特例」や「空き家の3,000万円特別控除」などは、相続発生から3年以内の売却が要件となります。
ただし、不動産の売却には準備と時間がかかるため、名義変更から売却完了まで最低6ヶ月程度を見込む必要があります。
さいたま市・上尾市でおすすめの不動産会社を紹介

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さいたま市・上尾市で不動産売却を検討している方にとって、信頼できる不動産会社選びは重要なポイントです。
ここでは、地域密着型から全国展開の大手まで、それぞれ特色のある3社をご紹介します。
◇ハウスドゥ東大宮駅西口 株式会社ティー・ワーク

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ハウスドゥ東大宮駅西口を運営する株式会社ティー・ワークは、さいたま市見沼区を中心とした地域密着型の不動産会社です。
同社は、特にエリアの市場動向に精通しており、地元の特性を活かした売却プランを提案する点で多くの信頼を得ています。
売却査定では、物件の魅力を最大限に引き出し、早期の成約を目指す戦略を打ち出しています。
会社名 | 株式会社ティー・ワーク |
所在地 | 〒337-0051 埼玉県さいたま市見沼区東大宮4丁目23-1 エクセル東大宮106 |
電話番号 | 0120-50-2581 |
◇三井のリハウス 東大宮センター

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三井のリハウスは、全国的なブランド力と豊富な実績で知られる不動産仲介会社です。
その東大宮センターは、さいたま市見沼区や岩槻区、上尾市など広いエリアをカバーし、地域の特性に合わせた売却サポートを提供しています。
特に、累積取扱件数100万件以上という実績は、売却の安心感と信頼性を裏付けています。
会社名 | 三井不動産リアルティ株式会社 |
所在地 | 〒337-0051 埼玉県さいたま市見沼区東大宮5-39-4 アラキビル1F |
電話番号 | 0120-131-731 |
◇株式会社ホームパートナー

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株式会社ホームパートナーは、大和田駅周辺を中心に展開する地域密着型の不動産会社です。同社は、地元ならではの物件情報を豊富に持ち、特に新築一戸建てや中古物件の売却に強みを持っています。
物件の個性や地域の特性を深く理解し、それに基づいた適切な売却価格の提案を得意としています。
会社名 | 株式会社ホームパートナー |
所在地 | 〒337-0053 埼玉県さいたま市見沼区大和田町1-1481-1 |
電話番号 | 048-682-8855 |
相続不動産の売却は、以下の手順が必要です。まず、相続人と遺産を確定し、遺産分割協議で売却合意を得ます。その後、相続登記を行い、不動産会社に売却を依頼します。売却後は相続税や確定申告を行います。
注意点として、税金や特例を活用し、期限内に手続きを進めることが重要です。また、共有名義の場合は全員の合意が必要で、優良な不動産会社の選定が売却成功の鍵です。その他、税金特例や追加費用も考慮しましょう。